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  お口のおはなし  第59話 お口の健康と防災とは?

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お口のおはなし  第59話 お口の健康と防災とは?

お口のおはなし

お口のおはなし
お口の健康と防災とは?

 10 月 7 日午後 10 時 41 分ごろ、千葉県北西部を震源とするマグニチュード
5.9 の地震がありました。
 東京都足立区、埼玉県川口市などで震度 5 強の強い揺れを観測しました。
 埼玉県三芳町では、震度 3 でした。
 東京 23 区で震度 5 強の揺れを観測したのは 10 年前の東日本大震災以来です。
震度よりも緊急地震速報と長い揺れに驚かれた方も多かったのでは、ないでしょ
うか。
 9 月 1 日は、防災の日でしたが、皆さん防災の備えは、いかがでしょうか?先日の
地震の後、慌てて非常持ち出しリュックをチェックした方もいらっしゃるかもし
れません。

 今回は、お口の健康と防災についておはなし致します。

 東日本大震災の様な大規模災害の被災直後に必要な歯科医療は、ケガの治療な
どが中心です。例えば、命を救う医療の後に歯科領域の治療として、顔面、顎、口
のけが、骨折の治療などです。
 その後、時間の経過とともに「食べること」や 「歯みがき」の問題がでてき
ます。
 また、高齢者の誤嚥性肺炎などが増加する可能性があるため口腔健康管理が必要
となります。
 災害時の歯科の役割は歯科保健医療を通じて被災地の方々の生活を支援すること
です。
 災害時における口腔ケアは、むし歯や歯周病等の口腔内疾患の予防だけではな
く、口が肺への入り口であることから、誤嚥性肺炎、 肺炎等の呼吸器感染症予防
など「命を守るケア」として行うことが重要とされています。
 また「食べる支援」として早期から口腔機能の向上訓練や嚥下リハビリテーシ
ョンを取り入れた適切な口腔ケアを行うことが重要です。
しかし、災害時の物資の支援では、まず食料、飲料、雨風をしのぐことなどが優
先されます。
 東日本大震災では、阪神大震災の教訓から、避難所に歯科医師、歯科衛生士が派
遣され、訪問歯科診療車両による歯科治療が行われたり、 口腔ケアが行われまし
た。
 それでも、どうしても優先順位としては、後回しになってしまいます。

では、災害時にお口の健康をどうやって維持すれば良いのでしょうか?
皆さんが日常行っているお口のお手入れ(セルフケア)がとても大切です。
災害時に適切なセルフケアを行うために必要なものは、防災用品として非常持ち
出しリュックに入れておくと良いでしょう。

歯ブラシ、歯磨き材、液体歯磨き(水がなくても使えます。ノンアルコールタイプ
だとお口が乾きにくく、誰でも使いやすいです。)、ガーゼ、ウェットティッシュ
(赤ちゃん用の歯のお手入れ用ウェットティッシュがあると便利です。)、ティッ
シュペーパー、コップなどを準備しておきましょう。
入れ歯をお使いの方は、入れ歯のケース(名前を忘れずに記入しましょう。タッ
パーでも良いです。)、入れ歯の洗浄剤もあるといいでしょう。
予備の入れ歯があれば、なお良いですね。
非常持ち出しリュックでなくても、普段お使いのバックやお化粧ポーチに歯ブ
ラシを一本入れて持ち歩くのも小さな防災となるでしょう。
職場や学校のロッカーなどに歯ブラシや歯磨き材、コップなどを置いておけば、
普段から昼食後に歯磨きできますし、いざという時にも、歯磨きできますね。

【災害時のお口のお手入れ】

① 歯ブラシがない時のお手入れ
食後に少量のお水またはお茶でしっかり長めにうがいをしましょう。
ハンカチやティッシュ、ウェットティッシュなどで、歯を拭うのも効果的です。
入れ歯は、食後に外して洗いましょう。洗えない時は、ハンカチ、ティッシ
ュ、ウェットティッシュなどで拭きましょう。入れ歯は、夜は、外しましょう。

② 水が少ない時の歯磨き
コップに少ない水(30ml くらい)を入れて歯ブラシを濡らしてから歯を磨きま
しょう。
歯ブラシは、汚れたら、ティッシュ、ウェットティッシュなどで拭きながら磨
きましょう。磨き終えたら、少ないお水を何回に分けてうがいしましょう。一
度にうがいするよりも二、三回にでも分ける方が、きれいになります。

③ 液体歯磨きを使った歯磨き
液体歯磨きを適量(10ml)口に含んで 20 秒ほど、お口全体に行き渡らせるよ
うにぶくぶくうがいをして吐き出します。その後歯ブラシで磨きます。
お水が、あれば軽くうがいをしても良いです。
お水がない時は、ゆすがずにそのままで構いません。

④ 唾液を出す工夫をする
唾液には、お口の中の汚れを洗い流す働きがあります。しかし、災害時には、
避難生活でストレスがあると唾液が少なくなります。
できるだけ水分を取る、シュガーレスガム(キシリトール 100%が最適です)
を噛む、
唾液腺(分かりやすいのは、耳の真下にある耳下腺という唾液腺です)をマッサ
ージするなど、唾液を出す工夫をすることも大切です。

⑤ 食生活、飲み物に気を付ける
規則正しい食事をする、時間を決めてダラダラ食べない、甘いものを食べすぎ
ない、飲み物は、水やお茶など無糖のものにするなど気を付けることも大切な
お口のケアです。
何事も予め知識を学んで準備しておくと、いざという時に役に立ちます。
防災用品のチェック、避難所、避難経路の確認、連絡方法の確認などと一緒にご
家族皆さんでお口の健康と防災についても、ぜひお話ししていただけたら幸いで
す。

日頃のお口のお手入れは、どうされていますか?
ぜひ、定期的な予防処置、歯磨き指導にいらしてください。
お一人お一人に合わせた最適なお口のお手入れ、セルフケアについて、お話し
させていただいております。
ご不明な点は、歯科医師、歯科衛生士にお尋ね下さい。

埼玉県入間郡三芳町ユナイトみよし歯科
歯科衛生士 Y.O

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