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  お口のおはなし  9月号 歯科治療と全身疾患は関係あるの?その2

お知らせ

お口のおはなし  9月号 歯科治療と全身疾患は関係あるの?その2

お口のおはなし

 

 

皆さんこんにちは。

まだまだ暑い日が続いていますが、体調などをくずされていませんか?

体調管理をすることは健康な生活を送るためには大切なことなので、気をつけていこうと思います。

 

さて、今月も先月に引き続き「全身疾患と歯科」についてのおはなしをしていきます。

まずは、高血圧についてです。

高血圧とは、慢性的に血圧が上昇している病態をいいます。

高血圧が続くことで、障害を受けた細胞により動脈硬化が進行し、動脈が狭くなったり、詰まったり、破裂しやすくなります。

その結果、脳血管障害、心筋梗塞、高血圧性腎症、大動脈解離などを引き起こし、死に至る可能性が高くなるといわれています。

高血圧は自覚症状がないことが多く、サイレントキラーとも呼ばれています。(→歯周病と似ていますね。)

このような死を含むリスクを低下させるために、血圧を下げる薬(降圧薬)が処方されます。

歯科医院での問診においてこういったお薬を飲まれている方は増えてきているように感じます。

有病率   全年齢層 25%強   高齢者(65歳以上) 45%以上

 

診療時に配慮すべきこと。

ストレスが減るような優しい声掛けも有効

初診時には必ず血圧をチェックする。(問診を含む)

治療開始前は血圧が低くても、治療中に急激に血圧が上昇することがあります。

このような変化は高齢者に多く認められます。痛みや恐怖感などのストレスが原因となることが多いので、ストレスを減らす工夫が必要です。

歯科衛生士 や、アシスタントによる患者さんの気持ちに寄り添った優しい声かけは、患者さんのストレスを減らすのに有効です。

血圧が著しく高い場合は、治療を中断し、歯科医師に相談した上で

かかりつけの内科医師に血圧のコントロールを依頼することもあります。

ただし、痛みがあり、緊急の対応が必要な場合は、最小限の治療を行います。血圧上昇時には、ゆっくり深呼吸してもらうことにより

ある程度の血圧効果が期待できます。

高圧利尿薬(尿を出すことにより、血圧を下げる薬)を服用している患者さんは、尿意を我慢することで、血圧が上昇する場合があります。

こういった可能性がある場合は、用意を確認した上で排尿していただくなどと言うことも必要になるでしょう。

これらの対処を行っても、血圧が高いままであれば、治療を中止し、歯科医師と相談した上で、内科医師に高圧を依頼した方が良いと思います。

歯科診療で避けることとしては、できるだけストレスを与えないようにする。

 

服用している薬を確認することも大切なことなので、

お薬手帳をお持ちの方は必ず提示していただきたいと思います。

 

次にお話しするのは、心房細動(不整脈)です

心拍数と心拍のリズムが正常範囲から外れたものを不整脈といいます。

加齢とともに不整脈は増加します。

高齢者における代表的な不整脈が心房細動と言われています。

心房細動では、脈がバラバラ(絶対的な不正)になり、脈拍数は多くの場合上昇します。

心房細動が持続することにより血栓が作られやすくなります。

この血栓が血流によって、脳に運ばれ、脳の動脈を閉塞して脳梗塞を起こすリスクが高いことが心房細動の最大の問題点です。

また、脈拍数の高い心房細動が持続すると、心臓の機能が著しく低下し、心不全となる場合があります。

有病率  全年齢層 10%弱   高齢者(65歳以上) 15%強

診療時に配慮すべきこと。

まずは狭い範囲から開始して止血を確認する

経口抗凝固薬(ワーファリンなど)を服用している状態で行う歯科処置では、薬の影響で出血が止まりにくくなることが問題となります。

歯石の除去などに伴う出血などもあるので、最初は狭い範囲から行い、止血状況を確認することも必要になります。

1度に行う処置にも範囲を決めて行うこともあるので、数回に分けて行うこともあります。

現在はワーファリン以外の服用薬も開発されていますし、治療の方法も選択されていることもあります。

歯科診療で避けることとしては、医療機関に確認せずに休薬しないこと。

休薬することで脳梗塞などのリスクの上昇が考えられますので、勝手に服用を止めることはしないでください。

処置内容によっては歯科医師と連携を取る必要がありますので、かかりつけの医院との連携も必ず行うようにしています。

そして、脳血管障害(脳卒中)についてもおはなししていきます。

脳血管障害とは、脳血管の異常を原因とする、脳あるいは脊髄への障害を脳血管障害(脳卒中)といいます。

脳血管障害は大きく分けて、虚血(脳の組織に必要量の血液、すなわち酸素が流入しない状態、脳梗塞など)によるものと出血によるもの(脳内出血とくも膜下出血)に分けられます。

一般に発症は突然で、症状は脳の神経障害が発症した場所と、その大きさにより異なります。

発症リスクは年齢とともに上昇し、脳血管障害のリスク因子には、

高血圧、ストレス、脂質異常症、喫煙、肥満、運動不足、脳血管障害の家族歴、糖尿病などがあります。

脳血管障害では運動機能障害など、さまざまな合併症が発生します。

嚥下障害もそのひとつになります。

嚥下障害は、発症後すぐの急性期に高頻度に出現しますが、多くは短期間で回復します。

診療時に配慮すべきこと。

痛みや精神的なストレスによる血圧上昇を起こさないようにする

脳血管障害においても血圧コントロールは重要です。

できれば処置前、中、後のモニタリングを行うことも必要になることがあります。

歯石除去等の歯科処置も、出来るだけ短時間で、痛みや精神的ストレスを与えないよう配慮しながら終了させます。

脳血管障害をもつ患者さんには、高血圧、糖尿病、心房細動などを併存していることが多いため、それぞれの疾患に対するリスク管理が必要です。

嚥下障害が残存していれば、誤飲性肺炎の予防として口腔ケアなどの介入を積極的に行いましょう。

もし、下記のような症状が現れたら、脳血管障害の再発と考えられますので、早めに医療機関に受診しましょう。

①顔の片側が、下がる・ゆがむ

②両腕を挙げるときに、片腕に力が入らず、下に落ちる

③言葉が出てこない、ろれつが回らない

歯科診療で避けることとしては抗血小板薬、経口抗凝固薬は原則として休薬しない

一般に脳血管障害(脳卒中)発症後、6ヵ月以内は再発作の可能性が高いといわれています。

この期間は応急的な処置だけにとどめたほうがいいかもしれません。

また、抗血小板薬、経口抗凝固薬が投与されている場合は、原則として服用を止めないようにしましょう。

 

このように全身疾患と歯科との関わりは非常に重要なことも多くあります。

皆さんが歯科医院で最初に記入して頂く問診票には、これらの情報を記入する欄が必ずあります。

また、服用されているお薬がある場合にはお薬手帳のコピーを取らせて頂いております。

歯科医院への通院時にもお持ちいただくことをおすすめします。

 

当院では初診時にお時間を頂き、皆様のお口の情報だけでなく、お体のことや、悩みや疑問などを聞かせて頂いています。

そのため、初回の診療時間を含めると少し長いお時間をご予約時にいただいています。(60~90分)

皆さんに安心して治療を受けて頂くためには必要な時間と考えております。

歯の治療には関係ないかも?とは思わずにお話しいただけたらと思います。

どんなことでも構いませんので、ご相談ください。

また、治療中においても何かあれば声をかけていただければと思います。

 

入間郡三芳町 ユナイトみよし歯科

歯科衛生士  Y.S  歯科助手  M.N

 

 

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