12月になり、もうクリスマス用品やお正月飾りなどが売られています。
あと1か月、来年を健康で迎えるためにもしっかりと体調管理をしていきましょう。
今回のお口のお話しは、『 歯が黄色っぽいのはなぜ?』・『口腔乾燥症』です。
ぜひ参考にしてくださいね。
お口のお悩みのひとつ「歯の色」についてお話したいと思います。
『歯=白』とイメージされる方も多いのではないでしょうか?
歯の色は真っ白ではなく、少し黄色みがかった色をしています。では、なぜ黄色みがかった白色なのでしょうか?
その答えは、歯の構造にあります。
歯の大部分は象牙質でできており、その外側がエナメル質で覆われ、象牙質の中に歯髄という神経があります。
エナメル質が外側を覆っているので、歯の色=エナメル質の色と思われがちですが、歯のエナメル質は白っぽい半透明色。歯が光沢を帯びているのは、このエナメル質に透明感があるためです。
エナメル質の内側、歯の象牙質は黄色みがかった白色をしています。
歯の色が白っぽいけど少し黄色みがかっている理由は、この象牙質の色がエナメル質から透けて見えているからなのです。
歯の色は人それぞれ違いがあります。それは、歯の状態が異なるからです。
例えば、歯の外側を覆っているエナメル質がすり減って薄くなると、透明感が下がり光沢感も減ります。白い部分が減るので象牙質の黄色みが強く現れ、歯が黄色っぽくなります。
歯の色に違いが生まれる理由は、歯の状態が一人一人異なるだけでなく、同じ人でも歯によって状態に違いがあるからなのです。
乳歯は永久歯と比べると、白さが際立ちます。
その理由は、エナメル質と象牙質の厚みの違いです。
生え替わる途中の混合歯列期という乳歯と永久歯が混在した時期では、色の違いは明らかです。
このため、生え替わりの時期に保護者の方が歯の色の違いを相談されることもありますが、歯の構造の違いによるものなので心配ありません。
歯の変色の原因
歯の変色の原因は、歯が生える前の先天的原因と、歯が生えてからの後天的原因に分けられます。
〈先天的原因〉
・エナメル質形成不全症
歯の外側のエナメル質がきちんと作られないことで、歯の色が濃い白色や黄色、茶褐色などになる病気です。
・過剰なフッ化物の摂取
フッ化物とはいわゆるフッ素のこと。
虫歯予防に効果があるのですが、歯の成長途中に多く使いすぎると、歯のエナメル質に白い斑点や帯状の模様が現れる症状です。ですが、これらのリスクは非常に高濃度のフッ化物を長期間摂取した場合や、誤って大量のフッ化物を一度に摂取した場合に限られます。
フッ素入りの歯磨き粉での毎日の歯磨きやフッ素洗口液を毎日使っていても、過剰になることはありません。適切に使用される限り、安全であり、虫歯予防に非常に効果的な物質です。
・テトラサイクリン
テトラサイクリンは、抗菌薬のひとつです。
生まれてから8歳ごろまでの期間にテトラサイクリン系の抗菌薬を使うと、成長途上の永久歯のカルシウム成分とテトラサイクリン系抗菌薬が結合し、象牙質に含まれてしまいます。
すると、歯が薄いオレンジがかった色合いになってしまいます。
〈後天的原因〉
①虫歯
虫歯は、ミュータンス菌などの虫歯の原因菌が作り出した酸によって歯の表面が溶かされていく病気です。
虫歯の進行によって歯は穴が開くだけでなく、色も変化していきます。
虫歯の初期段階では、歯は濃い白色を示すようになります。
穴が深くなるにつれて、濃い白色部分が、薄茶色、茶褐色、黒色とさまざまな色に変わります。
②ケガ
転倒や事故により歯を強く打つと、歯の内部で内出血することがあります。
内出血した歯は、歯の一部が赤く変色します。
ケガした直後は内出血していなくても、歯の神経がダメージを受けていた場合、数ヶ月後に歯の色が全体的に暗灰色に変わっていくことがあります。
③歯の神経が死んでしまっている
歯の神経が死んでしまうと、歯は黒ずんできます。
神経が死んでしまう理由はさまざまです。虫歯治療の済んだ歯が、年数が経つうちにいつの間にか神経が死んでしまっていたということもありますし、事故やケガで打った前歯の神経が気づいたら死んでいたということも珍しくありません。
④歯石
歯石とは、歯の表面についていたプラークが古くなって石のように硬くなったもの。
歯と歯肉の縁より上についた歯石は乳白色ですが、歯肉の縁よりも下についた歯石は黒っぽい色合いをしています。
⑤加齢
人の歯は、年とともに少しずつ黄色みを帯びる傾向があります。
年齢も、歯の変色の原因のひとつです。
⑥詰め物や被せ物
口腔内に金属製の詰め物や被せ物がある場合、金属イオンが唾液に反応して少しずつ溶け出し、歯茎が黒ずむことがあります。
他にも、虫歯が大きく、メタルコアという銀合金の芯を立てて被せ物を入れている場合、金属イオンが歯に染み出して、歯が黒く染まることがあります。
金属製の詰め物や被せ物による色素沈着が気になる場合は、セラミックなどの非金属製のものに交換するとよいでしょう。
⑦色素沈着
毎日の歯磨きをしっかりしていても、なんとなく黄色っぽいと感じることなありませんか?
虫歯でなくても歯の色が黄ばむことは珍しくなく、多くの場合その原因は色素沈着です。
歯に色素がつく原因はいろいろあります。
〈食べ物・飲み物〉
色味の濃い物口にすると、食べ物・飲み物の色素が歯に移ることがあります。
代表的な食べ物は、カレー、ソース、トマトケチャップ、ブルーベリーなど。
飲み物は、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ブドウジュース、赤ワインなどが色素沈着の原因となります。
他にも、色は濃くなくても、酸性度の高い食品も色素沈着の原因となります。
お酢や、スポーツドリンク、炭酸飲料などが挙げられます。柑橘系のフルーツも酸性度が高いです。
でも、歯の色素沈着ばかり気にせず、ご飯やおやつも楽しみたいですよね?
このような食べ物を口にしたときは、なるべく早く歯を磨いてお口の中から色素を取り除くことをおすすめします。
熱い飲み物には使えませんが、ストローを使ってなるべく歯に付かないようにするのもひとつの手です。
すぐに歯を磨けないときは、お水を飲んだり、キシリトール100%のガムを噛んで、酸性になった口の中を中和したり、うがいをして着色の原因物質を洗い流しましょう。
〈タバコ〉
タバコの煙にはタールという粒子状の成分が含まれています。
タバコを吸うとタールが歯の表面につき、歯の色が茶色や黒っぽい色合いにしてしまいます。
タバコの色素沈着は、煙によって広がるために、歯と歯の間の狭いところにまで生じるだけでなく、とても強くこびりつき、なかなか取れません。
口臭の原因にもなる上、発がん性物質も含まれているなど健康面でも問題になります。
その上、困ったことに、タバコの色素沈着は、タバコを吸っている方だけでなく、タバコの煙に接する周囲の方々にも広がる可能性もあります。
〈細菌〉
意外と思われるかもしれませんが、お口の中の細菌の関与も疑われています。
細菌による色素沈着では、歯の歯肉の縁あたりの表面に薄い黒、もしくは暗褐色の線のような模様が現れます。
細菌は、酸素が豊富な環境を好む好気性菌、酸素が少ない環境を好む嫌気性菌などに分けられますが、歯の色素沈着に関係するのは嫌気性菌です。
細菌がどうして歯に色素沈着をもたらすのか、そのメカニズムはあまりよくわかっていませんが、細菌の代謝が関係していると考えられています。
〈うがい薬〉
うがい薬にもいろいろな種類がありますが、中には色の濃いうがい薬がありますよね?
このような色の濃いうがい薬でうがいをする習慣のある方にも、歯への色移りが起こることがあります。
歯の色素沈着の対処法
歯の表面についた色素沈着は、どのようにして取り除いたらよいのでしょうか?
〈歯科医院での対処法〉
①PMTC
PMTCとは、歯科医院で電動歯ブラシのような機械を使って歯科医師や歯科衛生士が歯の表面をきれいに磨く処置です。
カップ状のブラシやチップに、専用の研磨剤をつけて歯の表面を磨きます。
PMTCを受けると、色素沈着が取り除かれて見た目がきれいになるだけでなく、歯の表面がツルツルになり、スッキリとして気持ちもよくなります
②エアフロー
エアフローは、とても細かいパウダー状の研磨剤を専用の器械を使ってジェット水流で吹きかける処置です。
PMTCでは、歯並びによっては歯と歯の間の色素沈着まで届かないことがありますが、エアフローなら隅々まで届きますので、細かなところの色素沈着も取り除けます。
③ホワイトニング
ホワイトニングは、専用の薬剤を使って歯を漂白することで白くする処置です。
自宅でマウスピースを使って行うホームホワイトニングと、歯科医院で受けるオフィスホワイトニングの2種類があります。
ホワイトニングを受ければ、歯を削ることなく先天的な歯の変色も改善できます。
〈おうちでのセルフケア〉
ご自身でも歯の色素沈着を改善させる方法はあります。
・ホワイトニングタイプの歯磨き粉
ホワイトニング用の歯磨き粉には漂白作用はありません。
さまざまな薬効成分で歯の表面についた汚れを取り除く効果を高めた歯磨き粉です。
日常的に使っている歯磨き粉を替えて、ホワイトニング用の歯磨き粉を使って歯を磨くようにするのも、歯の色素沈着のセルフケア法として効果的です。ですが、この汚れを落とす成分は物によって違います。
研磨剤の入った物は、知覚過敏の症状のある方には向きません。汚れを化学的に浮かせて落とすタイプの歯磨き粉を選びましょう。
どれを選んだらいいか分からない場合は歯医者さんで相談してみてください。あなたのお口に合った物をおすすめしてくれますよ。
・電動歯ブラシ
電動歯ブラシは一見すると、歯科医院でPMTCで使う器械に似ていますが、そこまでの回転力はありません。ですが、普通の歯ブラシで磨くよりもしっかり磨けるので、電動歯ブラシにホワイトニング用の歯磨き粉を組み合わせてみるのもセルフケアの一つの方法です。
電動歯ブラシで使う場合は、研磨剤無配合の歯磨き粉を選びましょう。
電動歯ブラシは手動の歯ブラシよりも歯に加わる力が大きくなりやすく、研磨剤が歯の表面や歯茎を傷つける恐れがあるので注意が必要です。
パッケージや商品情報に、「研磨剤不使用」「研磨剤フリー」と記載のあるものを選びましょう。
いかがでしたか?
このように歯の変色の原因は様々です。
歯の変色を改善したい場合は、まずはその原因を明らかにし、原因に応じた適切な方法を選ぶことが大切です。
気になる方はぜひ、歯科医院で相談してください。きれいな歯で気持ちよく毎日を過ごしましょう。
歯科助手 T.C Y.T
通常、健康な人で1日1~1,5リットルの唾液が分泌されていますが!その唾液が不足するドライマウスが最近急増しています。
ここで唾液の役割について説明しましょう。
消化作用
唾液の酵素でデンプンをマルトースに分解する。
溶解作用
味物質を溶解して味覚を促進させる。
洗浄作用
食べ物のカスを洗い流す。
円滑作用
発音や会話をスムーズにする。
抗菌作用
抗菌作用を持つ物質で病原微生物に抵抗する。
緩衝作用
phを一定に保ち細菌の繁殖を抑える
保護作用
歯の表面に皮膜を作り虫歯を防ぐ。
というように、唾液は多くの重要な役割を果たしているのです。
その唾液が不足するとどうなるのでしょうか?
常に口の中が乾燥していると虫歯・歯周病になりやすかったり、舌の痛み、口臭の原因、物がうまく飲み込めない、口が乾いて話しにくい等、さまざまな症状を引き起こす原因になります。
ではドライマウスの原因は何でしょうか?
加齢とともに唾液の分泌は少なくなるとも言われますが、薬の副作用・糖尿病や腎不全などの全身疾患・ストレス・喫煙・シェーングレン症候群など複合的な事が考えられます。
薬の副作用・全身疾患・シェーングレン症候についてはまだわからないことも、多いようです。
それではストレスに関してはどうでしょう。
ストレスをかけると、リラックス時に比べて唾液の分泌が約3割減少するといわれています。
なぜ唾液が減ったのでしょうか?
緊張すると、リラックス時とは違う物質が神経から出てきて、唾液を作る細胞にくっつきます。
この物質はリラックスした時に出る物質に比べ、唾液を作る細胞のなかに水分を取り込む働きが小さい為、作られる唾液は、少なくネバネバしたものになるのです。
一時的なストレスなら問題ありませんが、ストレスが長期にわたって続くと、自律神経が失調し唾液の分泌が抑えられてしまうのです。
ストレスとは厄介な現代病ですがストレス(いろんな病気の危険因子)とうまく付き合いリラックスするには、『笑い』を生活の中に取り入れる事で、確実に免疫力のアップにつながるようです。
最近のお笑いブームも健康維持に役立っているかもしれませんが・・・?
あと食生活でも気をつけなければいけない事があります。
軟らかいものばかり食べていると、よく噛む事をしなくなるので、口の周りの筋力が衰え唾液の分泌が減少する原因にもなるのです。
という事はお口の健康が重要な鍵を握っているのです。
あなたも、もう一度お口の健康を確認しては、いかがでしょうか!
歯科衛生士 Y.K
小児歯科・予防歯科
インプラント治療
セラミック治療 幅広く対応
入間郡三芳町 ユナイトみよし歯科