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  お口のおはなし 第23話 お口の健康とフッ化物(2)フッ素は、どうして歯に必要なの?

お知らせ

お口のおはなし 第23話 お口の健康とフッ化物(2)フッ素は、どうして歯に必要なの?

お口のおはなし

それでは、フッ素は、
お口の健康にどんな関わりが、
あるのでしょうか?

(2)フッ素は、どうして歯に必要?

フッ素には、虫歯予防の3つの作用があります。

①再石灰化の促進
歯から溶け出したカルシウムやリンの再沈着(再石灰化)を促進します。

②歯質強化
歯の質を強くします。
酸に溶けにくい歯にします。

③細菌の酸産生抑制
歯ブラシで落としきれないプラーク(歯垢)中に潜んでいる
虫歯の原因菌の働きを弱めます。
酸が作られるのを抑えます。

この3つの作用が、あるので
フッ素は、虫歯予防に効果的なのです。

(3)お口の健康にフッ化物
フッ素の利用方法は、三つあります。フッ化物洗口、フッ素塗布、フッ素入り歯磨剤を使った歯磨きです。

①フッ化物洗口ってなあに?

フッ素洗口液でブクブクうがいをする方法です。
一定濃度のフッ化ナトリウム溶液(5~10ml)を用いて、1分間ぶくぶくうがいをします。
永久歯のむし歯予防として有効です。
第一大臼歯の萌出時期(就学前)に開始し、中学生まで続けます。保育園・幼稚園・小中学校で集団実施されています。
家庭で行う方法もあります。

フッ化物洗口の実際
1. 洗口頻度と使用する薬剤の濃度について

保育園・幼稚園・小中学校で集団として行う場合、週5回法と週1回法があります。
週5回法では、0.05%フッ化ナトリウム溶液(フッ化物イオン濃度225ppm)
週1回法では0.2%フッ化ナトリウム溶液(同900ppm)
を用います。
週5回法は、主に保育園・幼稚園で行われています。

家庭で行う場合、歯科医院で購入できる洗口剤(同250ppm)や薬局で購入できるフッ化物洗口剤(同225ppm)を用いて毎日行います。

2. 洗口液の量と洗口時間
1回の洗口液の量は、就学前の幼児では5~7ml、小学生以上では10mlです。
洗口時間は、1分間で砂時計を見ながら、あるいは、音楽に合わせてなど、時間をしっかり計って行います。

就学前の幼児は、真水による「ぶくぶくうがい」と吐き出しの練習をして、上手にできることを確認してから洗口液での洗口を始めます。4歳以上が、開始の目安です。

フッ化物洗口後30分間は、飲食・うがいを控えます。
保育園では、お昼寝の前に、幼稚園や小中学校では、朝の授業の開始前に実施されています。
家庭では、就寝前の歯磨きの後が最適です。保護者による仕上げ磨きの後に保護者が一緒にいて、実施します。

3.フッ化物洗口の予防効果
報告によれば、むし歯予防効果は、約30~80%です。
第一大臼歯の萌出時期に合わせた開始と長期間継続することが、効果を確かなものにするためには必要とされています。
この効果はフッ化物洗口実施終了後も持続します。成人でも隣接面むし歯や根面むし歯の予防に効果的です。

保育園・幼稚園・小中学校で集団実施する場合は、より予防効果が、高いことが研究結果から、実証されています。
また、教育の面から、口腔保健指導の一つとして、お口の健康に対する関心を高める効果も期待できます。

しかし、フッ化物に対して様々な考えをお持ちの方もいらっしゃるので、フッ化物洗口を集団で実施する場合は、保護者の同意書で確認して行う、フッ化物洗口を希望せず、フッ化物洗口を行わない子どもも真水でうがいをして参加するなどの配慮が、必要とされています。

公立学校の場合は、都道府県または、市町村の判断で、私立学校の場合は、私立学校とその学校歯科医の判断で、集団フッ化物洗口が実施されています。
歯科医師会などの働きかけや都道府県での考え方にもよるため、地域により、実施されているところと、実施されていないところがあり、全国的には、都道府県格差があります。
調査によると、佐賀県、新潟県、秋田県で実施されている割合が、高くなっています。

一方、家庭では、そのご家庭のご判断でフッ化物洗口を行うことができます。
歯科医師、歯科衛生士にご相談下さい。

つづく

三芳町 ユナイトみよし歯科
歯科衛生士 Y.O

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