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  お口のおはなし第98話 睡眠時無呼吸症候群って歯科と関係あるの?

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お口のおはなし第98話 睡眠時無呼吸症候群って歯科と関係あるの?

お口のおはなし

お口のおはなし第98話

睡眠時無呼吸症候群って歯科と関係あるの?

 

皆さんは、毎日よく眠れていますか?

「睡眠負債」と呼ばれる睡眠不足の蓄積により

心身の不調をきたしてしまう状態も

メディアでよく取り上げられています。

心身ともに健康で充実した毎日を過ごすためには、

睡眠の質の向上が重要だと言われています。

しっかり睡眠時間をとったのに日中眠くなってしまうならば、

睡眠時無呼吸症候群かもしれません。

 

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、

睡眠中に無呼吸が繰り返される病気です。

眠っている間に呼吸が止まっている状態のことを言います。

Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって

「SAS」(サス)と表記されることもあります。

おもな症状としては、周囲に指摘されるようないびきをかく、

息苦しくなって夜中に何度も目が覚める、

起床時に頭が痛い、だるい感じがする、

昼間に眠くなるなどがあります。

睡眠時無呼吸症候群により高血圧、脳卒中などの脳血管障害、

心筋梗塞などの心疾患になる危険性が高まります。

睡眠時無呼吸症候群は、肥満、鼻の疾患、顔のかたち、

鼻、喉、顎の形態、歯並びなどが原因と言われています。

そのため検査、診断、治療は、内科、呼吸器内科、循環器科、

耳鼻咽喉科、歯科・口腔外科、精神科、睡眠障害専門外来など、

多くの診療科で行われています。

 

睡眠時無呼吸症候群を完全になくすことは、現在のところ、

残念ながら難しいと言われていますが、

いくつかの対症療法があります。

 

睡眠時の無呼吸を軽減させる治療として

眠るときに鼻や口にマスクを装着する経鼻的持続陽圧呼吸療法

(Continuous posi-tive airway pressure :CPAP)があります。

マスクは人工呼吸器につながれていて、気道がつぶれないように

常に空気を送り込むので、睡眠時の無呼吸を減らすことが可能です。

 

また、下顎を前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)

を使用して治療することもあります。

仰向けに寝ている時、下顎を少し前に(つまり上方に)

保つだけで、気道の閉塞を軽減できます。

 

気道の閉塞がアデノイド肥大・扁桃肥大などが原因であると

明らかな場合は、外科的に切除する手術療法もあります。

 

SASと診断されたり、症状が見られたりした場合に

自分で症状を改善させる方法もあります。

それは、口元や舌の筋肉を鍛える体操です。

 

口の周りの筋肉が弱ってくると

睡眠時に口を開けて呼吸する「口呼吸」になります。

口の周りの筋肉と舌を支える筋肉はつながっているので、

口の周りの筋肉がだらんとしてくると

睡眠中に舌を支えていられなくなります。

すると重力で舌が喉の方に落ち込んできて気道を塞ぎます。

このようなことを防ぐために口元や舌の筋肉を鍛えることは、

睡眠時無呼吸症候群の症状軽減や予防にとても重要です。

 

 

①あいうべ体操

あいうべ体操は、舌が上顎につくようになるための体操です。

舌が上顎につけば、くちがポカンと開かなくなり、口呼吸ではなく、

鼻呼吸になっていきます。

 

 

②舌の体操

舌の筋肉だけでなく、口の中、顔、喉、首、顎、頭の筋肉の運動を同時に行えます。
特に、舌の筋肉、口を開ける筋肉、噛む筋肉、頬の筋肉、口唇の筋肉などの

咀嚼や嚥下時に使われる筋肉を同時に鍛えられるので、

咀嚼力が向上し、よく噛んで食べられ、嚥下もスムーズに行えるようになります。
噛むときに重要なのが咬合(噛み合わせ)です。

咬合が悪いと十分な咀嚼ができなかったり、

顎がずれて頭痛や肩こりの原因になります。
咬合のずれは、顔のゆがみやからだ全身のゆがみにもつながります。
舌の体操には、唾液がよく出るという効果もあります。

唾液を分泌する耳下腺、舌下腺、顎下腺は、

舌を回す筋肉に囲まれているので、それらの筋肉に刺激されて、

唾液の分泌が促進されます。

唾液の分泌量が増加すると、虫歯、口臭、口腔乾燥の予防ができます。
また、顎の下にある舌骨上筋群や、舌を動かす内舌筋と外舌筋が鍛えられるので

睡眠中に舌が上気道に落ち込んで塞がれることで起こる

「いびき」「睡眠時無呼吸症候群」の症状軽減になります。

舌骨上筋群が鍛えられると、垂れ下がった舌骨が引き上げられるので、

二重あごの改善につながります。

顔や首回りの筋肉がしっかりと働くようになり、リンパの流れがよくなるので、

むくみによる二重あごの改善になります。
たるんでいた顔の筋肉(表情筋)が引き締まると、

垂れ下がっていた頬が引き上げられるので、ほうれい線やシワの改善もできます。

血液循環の改善、自律神経の調整、免疫力の向上、

ストレス軽減、脳へのよい刺激になることによる認知症予防などの効果

があることもわかっています。

 

毎日の生活習慣として、ぜひ「あいうべ体操」と「舌の体操」を取り入れて、

お口の筋トレを継続してみてください。

皆さんの睡眠の質の向上やお口とからだの健康のヒントになれば幸いです。

 

埼玉県入間郡三芳町 ユナイトみよし歯科

歯科衛生士 Y.O

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