
みなさんは、普段なにもしていないときに上下の歯が触れていないでしょうか?
実は、無意識に上下の歯を接触させ続けてしまう癖があるかたは少なくありません。この癖は「TCH」と呼ばれ、お口やあご、さらには全身の不調につながることがあります。
今回は、TCHについてわかりやすくご紹介します。

TCHとは、Tooth Contacting Habit(上下の歯の接触癖)の略で、上下の歯が持続的に接触している癖のことをいいます。
食事や会話のときなど、一時的に歯が接触するのは自然なことですが、何もしていないときに上下の歯が触れ続けている状態は、TCHの可能性があります。
本来、お口を使っていないときは、唇は閉じていても上下の歯は1〜3mmほど離れているのが正常な状態です。
しかし、TCHがあると、お口周りの筋肉が常に緊張した状態になります。その状態が続くことで、筋肉の疲労や顎関節への負担が増え、さまざまな症状につながることがあります。

顎関節症は、噛み合わせやストレス、生活習慣など、さまざまな要因が重なって起こります。TCHもその一因と考えられています。
歯を接触させる時間が長いほど、あごへの負担も大きくなるため、TCHを改善することで症状の軽減につながることがあります。
歯が接触し続けると、歯に揺さぶる力がかかり続けます。
そのため、歯周病があるかたでは、歯の揺れが強くなる可能性があります。
上下の歯を接触させ続けると、歯の根の先にある組織が圧迫され、血流が悪くなります。
その結果、
といった症状が出ることがあります。
また、歯科治療後に「噛み合わせが気になる」「しっくりこない」と感じる場合も、噛み合わせを意識しすぎることで歯を接触させる時間が増え、違和感が強くなっているケースがあります。
TCHがあるかたは、夕方になるにつれて、あごを動かす筋肉や舌、頬に疲れが溜まりやすくなります。
そのため、
といった症状につながることがあります。
TCHによって筋肉の緊張状態が続くと、頭痛や肩こりにつながることもあります。

人差し指と親指でL字を作り、こめかみ(側頭筋)と頬(咬筋)の後方部分に軽く指を当てます。
その状態で、上下の歯を軽く数回接触させてみましょう。
筋肉が動く感覚がありましたか?
歯を接触させるだけでも、お口周りの筋肉が働いていることを実感するのが大切です。
常に歯に力が入っている状態では、これらの筋肉は疲れてしまいます。
「リラックス」「歯を離そう」などと書いたメモを用意し、5分以上過ごす場所に貼ります。
同じ色・大きさのメモを10枚以上貼るのがポイントです。
貼る場所は、
など、日常的によく目に入る場所がおすすめです。
そのメモを見たときに、「今、歯が触れていないかな?」と確認してみましょう。
外出時は、スマホのリマインダー機能を使うのもおすすめです。
歯の接触に気づいたら、鼻から息を吸いながら肩を大きく上げ、口から息を吐きながら一気に肩を落とします。
この“脱力”を1回だけ行います。
繰り返していくことで、リマインダーを見るだけで自然と体の力が抜け、無意識に歯が離れやすくなります。
早いかたでは、2ヵ月ほどで改善がみられることもあります。
TCHに気づいたとき、「歯を離さなきゃ」と意識しすぎる必要はありません。
実は、歯を離そうとする動作にも筋肉を使います。
そのため、無理に意識すると、かえってお口周りの筋肉に負担がかかり、痛みにつながることがあります。
まずは体の力を抜き、自然に歯が離れる状態を目指しましょう。
TCHの原因は、まだ十分には解明されていません。
ただし、ストレスや緊張、姿勢の悪さなどが関係していると考えられています。
たとえば、スマホやパソコンを見るときの“うつむき姿勢”では、自然と上下の歯の距離が近づきます。
また、集中しているときは無意識に噛みしめやすくなるため、長時間のデスクワークやスマホ操作はTCHにつながりやすいといわれています。
さらに、歯の周りにある「歯根膜」という組織には、脳へ情報を伝えるセンサーの役割があります。
上下の歯が接触すると、「食べ物が入った」と脳が認識し、「噛みしめる」という反応が起こりやすくなることもわかっています。

TCHは大人だけでなく、子どもにもみられる習慣です。
最近では、受験勉強や人間関係によるストレスに加え、スマホやゲーム機を使う時間が増えています。
こうした生活環境の変化も、子どものTCHに関係していると考えられています。
「歯がしみる」「あごが疲れる」「気づくと歯を噛みしめている」など、気になる症状があるかたは、お気軽にご相談ください。
歯科衛生士 W.K / Y.K
小児歯科・予防歯科
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入間郡三芳町 ユナイトみよし歯科