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  お口のおはなし 第29話 歯周病編(6)「歯周病と早産・低出生体重児出産の関係」

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お口のおはなし 第29話 歯周病編(6)「歯周病と早産・低出生体重児出産の関係」

お口のおはなし

お口のおはなし 第29話 歯周病編(6)

            「歯周病と早産・低出生体重児出産の関係」

●早産・低出生体重児出産とは?

「切迫早産」とは、妊娠22週以降37週未満の時期に、規則的な子宮収縮と
頸管の熟化(軟化)がみられ、早産の危険性が高い状態のことである。
切迫早産の原因の大半が絨毛膜羊膜炎であり、細菌の感染が関与していると
考えられている。
一方で「早産」とは妊娠37週未満での出産、「低出生体重児出産」は新生児の体重が
2,500g未満での出産と定義されている。
「切迫早産」が起きると早産・低出生体重児出産の危険性が高くなり、
早産・低出生体重児出産で生まれた新生児は、身体的・知能的な障害を併発する
可能性があると指摘されている。
胎児は子宮中の羊水内で成長するため、羊水・羊膜への細菌感染は、
早産や胎児の発育不全の原因の1つとなる。
羊水は本来、無菌的な環境であり、正常に出産した妊婦における
子宮内への細菌感染の頻度は1%未満との報告がなされている。
逆に、子宮内部への細菌感染が認められた妊婦は、早産・低出生体重児出産の
リスクが非常に高いと考えられている。
子宮内部への細菌感染は、尿路感染症・細菌性膣炎などが原因として考えられている。
しかし、尿路感染症・細菌性膣炎などが認められない妊婦においても、
子宮内部への細菌感染がある一定の割合で認められており、さらなる原因究明が求められている。

●歯周病とはどう関係する?

歯周ポケット内に存在する歯周病原細菌が妊娠に影響を及ぼすメカニズムは、
大きく分けて2つあると考えられている。
1つは、歯肉の炎症反応で産生された炎症性物質が血中に入り、
そのレベルが上昇することによるもの。炎症性サイトカインの上昇は
タンパク質分解酵素の分泌を促進し、子宮収縮や頸管の熟化を引き起こすことで、
早産を誘発している可能性が考えられる。
また、炎症反応で生じるプロスタグランジンは子宮収縮促進薬として
用いられている薬剤にもなっており、切迫早産もしくは早産といった出産異常に
影響している可能性が考えられている。
もう1つのメカニズムは、歯周病原細菌が歯周ポケットから直接血液中に
侵入する「菌血症」によるもの。
歯周ポケット内で炎症が発生すると、その部位は微小潰瘍となり、
細菌が体内に侵入する入口となる。
すべての歯が歯周ポケット5mm程度の中等度歯周炎に罹患したと仮定すると、
歯周ポケットの潰瘍部の面積の和は55~72㎠となる。
これは、手のひらと同じくらいもの大きさの潰瘍を慢性的に有していることになる。
この手のひら大の潰瘍から、細菌は口腔内から離れた子宮の臓器にまで到達し、
2次感染を引き起こすと考えられている。子宮や羊水内への細菌感染は、
早産・低出生体重児出産のリスクとなることからも、これらの細菌の影響は無視できない。

●20代~30代女性の歯周病予防のメリット

従来であれば成長するのが困難だった新生児も医療技術の進歩によって発育可能となり、
日本での早産の割合・低出生体重児出産の割合は、総出生数の減少を考慮すると
わずかだが年々上昇している。また、歯周炎と妊娠に関する研究として、
2007年には、メタアナリシスの研究から歯周病に罹患していると
早産・低出生体重児出産のリスクが2.83倍になることが報告されている。
2013年にもメタアナリシスが行われ、この報告でも「歯周病は強くはないが、
独立して出産結果に影響する要因である」と結論づけられている。
一方、歯周治療が出産結果に影響を与えるかどうかに関して行われたメタアナリシスでは、
歯周治療と出産結果の関係はバイアスに左右される傾向があるため、
結果として歯周治療は早産の発現率を減少させる効果はないと結論づけられている。
しかしこれらの研究からは、妊娠期間中にすでに胎盤などの組織に歯周病原細菌が
移行していた場合は、歯周治療を行ってもその細菌を除去することは難しく、
妊娠後の歯周治療では手遅れであることも報告されている。
さらに妊娠中はホルモンバランス等の変化により歯肉炎や歯周炎が
生じやすくなることからも、妊娠前から口腔内を良好に保つ必要があるということを
示唆しているのかもしれない。

●ご自身と赤ちゃんのためにも、定期的な歯科検診をお勧めします!

 

ユナイトみよし歯科

歯科衛生士 H.K

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