お口のおはなし 第43話 全身の健康と歯周病のQ&A ①・②
お口のおはなし
お口のおはなし 第43話 全身の健康と歯周病のQ&A ①・②
Q①
糖尿病も歯周病も治療のおかげでだいぶ改善していますが、
かかりつけの歯科医や歯科衛生士からは「メインテナンスが大事ですよ」と
クギをさされました。歯科の定期健診はどれくらいの頻度で受ければよいのですか?
A
「糖尿病」というリスク因子がある以上、一時的に症状が落ち着いたとしても、
歯周病に対する感受性は高いと考えられます。
通常は3~4ヶ月間隔の定期健診をお勧めしていますが、
それよりも短い間隔のほうがよいこともあります。
症状にもよりますが、最初は1~2ヶ月程度の間隔で様子をみたほうがよいでしょう。
もちろん、糖尿病のコントロールがうまくいかなければ、
歯周病の再発のリスクがより高まると考えられます。
糖尿病腎症や網膜症などの合併症を予防するうえでも、
HbA1cを7%未満に保つことが有効であるとされています。
糖尿病の再発予防のためにも、この値を1つの目標にするとよいでしょう。
Q②
歯周病は心臓病と関係があると聞きましたが、
歯周病の治療をすると、心臓病がよくなりますか?
A
歯周病にかかると歯周病原細菌が増えます。
そのなかには、Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)
のような血液を固まらせる性質をもつ細菌があり、「血栓」という血の塊が生じて、
心臓に栄養を運ぶ血管が詰まって狭心症や心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。
歯周治療によって、これらの口の中の菌を減らすことで、
心臓病のリスクが減少すると期待されます。
また、急性の心臓疾患に対しては、
Aggregatibacter actinomycetemcomitans(アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス)
という特殊な歯周病原細菌との関係が報告されていることから、
歯周治療によってこの菌を取り除けば、
心臓発作の頻度を減らせる可能性があると考えられています。
埼玉県入間郡三芳町藤久保855-403
ユナイトみよし歯科
歯科衛生士 H.K