

私たちの歯は、こどもの頃に生える「乳歯」と、そのあとに生え変わる「永久歯」に分けられます。乳歯は成長とともに抜けていき、だいたい6歳頃から順番に永久歯へと変わっていきます。その中でも「12歳臼歯」と呼ばれる歯は、とても大切な役割を持っている歯です。
12歳臼歯は、名前の通り12歳頃に生えてくる奥歯のことで、上と下の左右に1本ずつ、全部で4本生えます。この歯が生えそろうことで、大人の歯並びが完成し、かむ力がぐっと強くなります。

12歳臼歯は、食べ物をしっかりとかみ砕く中心的な役割を果たします。また、ものをかむ力のバランスを保つうえでも重要で、1本でも失うと他の歯に過度な負担がかかることがあります。つまり、この歯は長く健康に保つことがとても大切なのです。
ただし、12歳臼歯には弱点もあります。生えたばかりの頃は、歯の表面がまだ硬く安定していないため、むし歯になりやすいという特徴があります。さらに、いちばん奥に生えてくるため歯ブラシが届きにくく、磨き残しが起きやすいという問題があります。自分ではきちんと磨いているつもりでも、気付かないうちに食べかすが残ったり、汚れがたまってしまうことがあります。
むし歯は、歯に残った汚れと、甘いものを食べたときに発生する酸が原因で起こります。特にスポーツドリンクや甘いジュースは、砂糖が多く入っているだけでなく、もともと酸性のものも多いため、むし歯になりやすい環境を作ってしまいます。一方、無糖のお茶や水はむし歯の原因になりにくく、普段の飲み物としておすすめです。

12歳臼歯を守るために、毎日の歯みがきは欠かせません。奥までしっかりブラシを入れて、ていねいに磨くことが大切です。それに加えて、歯を強くしてくれる成分が入った歯みがき粉を使うと、より予防につながります。また、生えたばかりのこの時期は、歯のチェックをしてもらうために定期的に歯科医院を受診することもおすすめです。必要に応じて、歯の溝を保護する処置をしてもらえる場合もあります。
永久歯は親知らずを入れなければ全部で28本あります。しかし親知らずは、生えてこなかったり、途中で生えるのをやめてしまう人も多くいます。そのため、12歳臼歯が最後に生えてくる歯になることが多く、「この歯を失うと取り返しがつきにくい」という重要なポジションだといえます。
これから大人として長く使っていく歯を守るためにも、12歳臼歯をむし歯から守る意識がとても大切です。毎日のケアと歯科医院でのチェックを組み合わせることで、一生ものの強い歯を維持することができます。自分の歯でしっかり噛んで食事を楽しめることは、健康な生活につながる大きな力となるでしょう。
歯科衛生士 N.Y

むし歯は、むし歯菌が糖をエサにして作り出す「酸」によって、歯の表面が溶けてしまうことから始まります。歯の表面を覆うエナメル質はとても硬い組織ですが、酸にさらされ続けるとカルシウムなどのミネラルが溶け出してしまいます。これを「脱灰」といい、むし歯の始まりです。
この段階であれば、適切なケアによって健康な状態に戻すことも可能ですが、脱灰が続くと歯は弱くなり、穴が開いてしまいます。
むし歯は「歯」「むし歯菌」「糖」の3つの条件がそろうことで起こります。どれか一つでも欠けていれば、むし歯にはなりません。この3つがそろっている時間が長いほど、むし歯になりやすくなります。これからお話しする8つのポイントを守って、これから一生使う大事な歯を守っていきましょう。
12歳前後は、保護者の管理から少しずつ自立していく時期です。今までは保護者の方が歯みがきや受診の管理をしていたお子さんでも、この時期からむし歯ができてしまうことがあります。
永久歯は親知らずを除いて28本。一生使っていく大切な歯です。「自分の歯は自分で守る」という意識を、少しずつ身につけていきましょう。
12歳臼歯は、生え方に個人差があります。正常な位置に生えてこない場合や、もともと歯の本数が少ない場合もあります。
生え始める前から定期的に歯科医院を受診することで、こうした変化を早く見つけ、必要な対応ができます。永久歯が生えそろった後も、定期的にお口のチェックを受けましょう。

生えかけの歯は、歯ぐきに一部覆われていたり、溝が深かったりするため、むし歯になりやすい状態です。
歯科医院では、プロによるクリーニングやフッ素塗布、歯みがきの確認を行います。必要に応じて、シーラント(歯の溝を守る処置)を行うこともあります。
新しい奥歯が生えることで、今までなかった場所に汚れがたまりやすくなります。特に上の奥歯は歯ブラシが届きにくい場所です。「奥までしっかりみがく」ことを意識してみましょう。
むし歯予防に欠かせないのが、フッ素配合歯みがき剤です。6歳以上の方には、1450ppm程度のフッ素入り歯みがき剤が推奨されています。歯ブラシに1.5〜2cmほどつけ、歯みがき後は少量の水でうがいをしましょう。毎回、適切な量を使うことが大切です。

歯と歯の間は、歯ブラシだけでは汚れが落ちにくく、むし歯や歯肉炎になりやすい場所です。
12歳臼歯が少し生えてきた段階から、奥歯の後ろにもフロスを通す習慣をつけましょう。
奥歯にはヘッドの小さい歯ブラシやワンタフトブラシがおすすめです。
歯の側面に付着したプラークにはラウンド毛の歯ブラシが効果的な場合があります。一方、歯ぐきにやさしくみがきたい場合や、歯肉炎がある場合、生え途中の歯がある場合には、テーパード毛の歯ブラシが適していることもあります。
無理なく続けられるよう、歯ブラシとフロスは毎日、ワンタフトブラシは週1回など、使用頻度を調整するのもおすすめです。

お子さんの自立を大切にしながらも、歯みがき剤の使用量やフロスの使用、歯ブラシの状態などを、ときどき確認してあげてください。保護者の声かけは、12歳臼歯を守る大きな力になります。
12歳臼歯が生えそろうと、大人の歯並びが完成します。これから先、むし歯だけでなく歯周病にも注意が必要になります。
定期的な歯科受診と毎日のセルフケアで、一緒にお口の健康を守っていきましょう。
しばらく受診の間隔が空いてしまっても大丈夫です。来たいと思ったタイミングで、いつでもお気軽にご来院ください。歯科医院は、みなさんのお口の健康をいつでもお待ちしています。
歯科衛生士 H.K
歯科衛生士 N.Y / 歯科衛生士 H.K
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入間郡三芳町 ユナイトみよし歯科